顔に出てない?

 経理・事務を担当しています黒田です。

 少し前の話ですが、用事を終えて夜、地下鉄に乗り、その日は荷物が多く重かったので「座れたらいいなぁ」と思いながら車両を見渡したのですが、あいにく空いている席がありませんでした。「残念、疲れたなぁ~」とドアにもたれた瞬間、目の前にいた知り合いの方に声を掛けられました。

 その時はびっくりし、すぐに顔の表情を変えて(変えたつもりで?!)何事もなかったようにお話しをしていたのですが、地下鉄を降りた後「私、あの時どんな疲れた顔をしていたのだろう…ひどい表情をしていただろうなぁ…」とすごく恥ずかしくなり、どんな時でも感情・自分の体調を表情に出してはいけないと心の底から反省しました。

 勝海舟が「青柳」という料理屋に入り、店内を見渡すと、女将が忙しくしていたので「この店は景気が良いように見える」といったところ、女将は「とんでもありません。お店にお金は一文もなく、亭主は金策にでています」と答え、こう続けました。「人気の呼吸というものは難しいもので、苦しさをお客様や雇い人に見せてしまいますとダメになります」。このとき勝海舟は、外交でも何でもすべてはこの呼吸の中にあると悟り、「大変良い学問をさせてもらった」と手持ちの30両を用立てたそうです。

勝海舟

 私も実体験から、いきいきと明るくすることがどれほど大切な事かということを身に染みて感じました。
 自分が苦しい時でも疲れている時でも、元気に振る舞うことが、幸運を呼び込むための秘訣なのでしょうね。

 職場でも、普段の生活においても、元気に振る舞うことに心掛けていこうと思っています。

 因みに、江戸時代の「1両の価値」は諸説があるようですが、江戸時代に普及したといわれているお蕎麦が1杯16文(520円)だったそうで、そこから計算すると1両は現在の13万円位の価値があるとも言われています。そうだとすると、30両は390万円相当になります。この金額にも驚いてしまいました。

ひとりはみんなのために…

 経理・事務を担当しています黒田です。

 「ホペイロ」という職業をご存知でしょうか?

 私は、先日ある番組で「ホペイロ」という職業を初めて知りました。サッカーでの唯一の武器といえる“スパイク”を中心とした「用具」を整備し管理する仕事で、ヨーロッパなどのサッカー強豪国では当たり前の存在らしいですが、日本ではまだまだ浸透してないように思います。

 その番組では、JリーグFC東京のホペイロの山川幸則さんが選手のスパイクをひとつひとつ手洗いされていて、その後、1足ずつスパイクの紐を通されていました。スパイクの紐の通し方も選手によって好みがあり、それをすべて把握されているそうです。また、試合前日にはウェア・靴下などすべて選手ごとにセッティングされ、その中にも靴下・ハイネックのインナーどれ1つをとっても選手ごとにこだわりがあり、すべてのリクエストに応えられているということに「ホペイロ」の役割の大切さを初めて知りました。

 山川さんは14年前、Jリーグの「ホペイロ」になられたのですが、その当時は選手にも「ホペイロ」という存在があまり認識されていないこともあり、スパイクに触ることすら許されなかったそうです。それでも山川さんは選手に認めてもらうため、朝は誰よりも早く、夜は誰よりも遅くまで仕事をして、今は山川さんの存在がチームの精神的支柱として選手から絶大に信頼を得るまでになられたとのことです。そして、山川さんのサポートがあることで選手は試合に集中できるというチームになっているそうです。

 「縁の下の力持ちになることを厭うな。
  人のためによかれと願う心を常に持てよ。(近代郵便の父 前島密)」

 ついつい華やかな表舞台で結果を残している人達を「すごい人だ!」「素晴らしい人だ!」と思ってしまいがちなのですが、山川さんのように「ひとりはみんなのために・・・」という存在があるからこそ、偉大なる結果を残せる人がでてきたり、強いチームワークがある組織を作ることができるのでしょうね。私も“縁の下の力持ち”という大きな存在になることは到底無理ですが、その縁の下を少しでも支えられる立場で居られたらなぁと思っています。