扉の門番はだれ?

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、ある番組で深刻化が増している農業の後継者問題が取り上げられていました。重労働・休みがない・汚れるなどのイメージが強く、そのイメージを一新するための技術開発が進んでいるそうです。興味深かったのは、臭いに悩む酪農家で試された“牛ふんに開発品をかけると甘い香りになる”というものでした。半信半疑で試されたのですが、実際に臭いをかぐと本当に驚かれた様子だったので、私も一度体験したいと思いました。

 その中で「後から引っ越してきても臭い臭いという。先に住んでいるからというのは関係ない時代。」という酪農家の方が仰っていた言葉が印象的でした。長年同じ地に住んで商売をされていたら、後から引っ越して来られた方に問題を指摘されても聞く耳を持たない人がおられると思います。逆に、引っ越した新しい地で、以前からおられる方に問題を指摘することを躊躇される人もおられると思います。というように、お互いが問題と向き合うことを先延ばしにするという状況は、地域社会に限らずどこにでもあるような気がします。

 「我々一人ひとりが“変化の扉”の門番。その扉は、内側からだけ開けられる。」(マリリン・ファーガソン)

 新たなことに挑戦しようとするとき、「今のままでいいじゃないか…」と思うもう一人の自分が出てきたりすることがありますよね。誰かによってではなく、自分で一歩を踏み出していく勇気、簡単なようで難しいことだと思います。でも、“変化の扉”を自ら開けられる人が多くなればなるほど、職場も地域社会も成長し続けられるように思います。

基準が違うのでは?

 経理・事務を担当しています黒田です。

 最近、同族経営の確執や企業の利益操作など企業にとってあまり良くないことのニュースが多く、“顧客は蚊帳の外のような…”と感じることが多くあります。組織が大きくなるにつれ、大人になるにつれ、“これをすれば、どんな利益になるんだろう?”や“こんなことをしても、全く意味がない”など、結果が自分にとってどれくらい利益になるかどうかで、行動する、しないを考えることが多くなってくるように思います。私自身も自分を基準として物事を考えて行動して、思うようにならない…と思ってしまうことがあります。でも、仕事というのは本当は他人に向けての行動しているものなので、その他人にとってどうなのかを基準として考えることが最も大切なはずですよね。

 「顧客はより幸せでよりよい人生を夢見ている。
  製品を売ろうとするのではなく、彼らの人生を豊かにするのだ。」(スティーブ・ジョブズ)

 例えば、やることも断ることもできる仕事をどうするかとか、自分の職種の中でどのような専門性を身につけるかとか、何か資格を取るかどうかなど、皆それぞれ何かを決めながらお仕事をされていると思います。そのような「自分に関すること」を決める時こそ、自分がどうやったら得しそうかとか、それで自分の生活が安定しそうかどうかなどではなく、それで他人がどうなるかを基準に考えることができればいいなと思います。その仕事を自分がした場合、その専門性や資格を自分が手に入れた場合、一体その先どうなるのか。もし「きっと色んな人に良いことがあるぞ」と信じることができていれば、迷うことなく決断し、行動できるのではないかと思います。

 もしも、目先のことにとらわれず、いつも相手を基準に考えて物事を決めている、そんな人が沢山、沢山いたのなら、人生を豊かにするものが社会に溢れているように思います。ジョブズさんはそんな風景を夢見ていたのかもしれませんね。