腕時計

 経理・事務を担当しています黒田です。

 前回電池交換をした際に「次は本体の修理をした方がいいですよ」と言われていた腕時計が、昨年12月にとうとう止まってしまい、修理にも1ヶ月以上の時間がかかるということだったので、この機会にと思い新しい腕時計を購入しました。その間2週間ほど腕時計ナシで過ごし、最初は「携帯電話があるから大丈夫だろう」と思っていたのですが、電車に乗ろうとして急いで時間を見たい時にわざわざ鞄から携帯電話を出さないといけない等々・・・ちょっとした不便さを幾つか感じました。“腕時計”というと時間に追われ縛られる印象をもたれる方もあると思うのですが、私にはなくてはならないものだと再認識しました。

 「苟日新、日日新、又日新(まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり)」
                                 (殷王朝の創始者 湯王)

 名高い聖天子であった湯王は、毎朝使う洗面器にこの言葉を刻み、自らを戒められたらしいです。1日24時間という時間は誰にも等しく与えられ、それをどう使うかが人生を分けるのだと思います。その事を分かっていても、なかなか一日一日を、一瞬一瞬を大切にすることを怠って過ごしてしまっているように感じます。

 今日は昨日より新しく、明日は今日より少し新しくしようとする気持ちで日々、時間を大切に過ごせる一年にしようと改めて思っています。

日常の瑣事

経理・事務を担当しています黒田です。

あけましておめでとうございます。

 みなさんは、どのようなお正月を過ごされたでしょうか?私は初釜をお休みしたので、久しぶりに着物を着ずにお正月を過ごしました。

 着物といえば、昨年12月にある番組で人間国宝 片岡仁左衛門さんの特集を見たとき、“着物を着て美しい男性”とはこの方のことをいうのだなぁと改めて思いました。仁左衛門さんが以前インタビューで、着物を着ることについて「常にでなくていいのですが、顔見世に行くのだから、歌舞伎座に行くのだからと、年に何度か、ちょっと着飾る気持ちになっていただけたらと思いますねぇ。外国のオペラハウスも、上階のほうでご覧になるときはラフな格好、けれど、一等席に座るときはドレスアップをして見ますでしょう。ああいう華やかさがあると、さらに劇場が楽しくなるのではないかなと。」と仰っておられました。

 京都では最近、着物を着て歩かれている人達を以前より多く見かけるようになり、日本経済新聞でも先日、「コスプレ感覚で非日常の和装を楽しむ若い人が増えている」という記事がありました。私も稀に着物を着てお茶会などに出掛けることがあるのですが、その時は背筋がすっと伸びた心地よい感覚を味わえます。

 「人生を幸福にするために、日常の瑣事を愛さなければならぬ」(芥川龍之介)

 非日常な日は一年を通してほんの数日で、そんな日だからこそちょっと着飾って楽しみたい気持ちになりますよね。でも、非日常なハレの日も、普段の日常生活に満足できていなければ十分に楽しむことはできず、せっかくの時間が単なるストレス発散の機会になってしまう気がします。また、ハレの日があるから日常生活もよりよいものになるようにも思います。

 今年は稀な非日常を心から楽しめるよう、日々同じことが繰り返される些細な出来事に感謝して、愛せるような一年にしようと思っています。