林典子さん

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、フォトジャーナリストの林典子さんの「人間の尊厳‐いま、この世界の片隅で」という本を読みました。「独裁政権と闘うジャーナリスト」「誘拐結婚」などなど、このような出来事がこの世界のどこかで行われている、という現実を知り、かなりショックを受ける内容でもありました。この本は、現実のできごとを文章だけで綴られているのではなく、時には目をそむけたくなるような写真も一緒に載せられています。あとがきに「世界中にはニュースにならない現実が溢れている。ほとんど取り上げられることのない社会の片隅で生きる人びとの物語を写真で伝える」とあるように、写真で現実を伝える、ということの大切さを知ることもできました。

 本を読みながら、彼女が危険な国にどんどん乗り込んで行くことに「大丈夫なの??」とヒヤヒヤする場面が何度もありましたが、彼女の行動力には本当に感心するばかりでした。

 「行動を伴わないイマジネーションは、何の意味も持たない」(チャーリー・チャップリン)

 ニュースなどを見ている時に「こういう風にしたら、この事も上手く解決するんじゃないかなぁ」と思ったり、家族や友人の行動などに対して「こうすれば早く解決するのに」と言いたくなってしまったり・・・こういう時ってありますよね。ただ、それは私の考え方があって、その方が良いと思っているだけであり、実際その人達の立場になったら思うようには出来ないことが多いのだと思います。

 林さんのような行動力は私には無いですが、この本を通して、どんな小さなことでも、自分以外の誰かのためになる良い案が浮かんだ時に行動へ移せることは、きっと自分自身も嬉しかったり、楽しかったりするのではないかなぁ、と感じました。物事の大小に限らず、このような人になることも目標に出来ればと思っています。

昭和

 経理・事務を担当しています黒田です。

 来年の今頃はもう新しい元号がスタートしていますね。新しい元号は何になるのだろう?という楽しみも大きいですが、またまた昭和が昔になっていくという寂しさも昭和生まれの私は少し感じています。2016年の大辞泉「あなたの言葉を辞書に載せよう」に“昭和”のイメージがいくつか掲載されており、その中に「時代遅れの物事に揶揄する言葉」とありました。確かに、このように昭和を例えられることを聞くことが最近よくあります。

 「時代に遅れ続けているようで、周回遅れで追い越しているような感じもあるやろ」
                        (一澤信三郎、一澤信三郎帆布店主)

 この言葉は、創業当時から製造直売、直営店は京都に1店舗のみ。卸売りもせず、オンライン販売もしない、100年前の創業当時と変わらないビジネススタイルの「一澤信三郎帆布」さんのホームページに書かれていました。

 時代遅れ、と聞くとどうしても否定的なイメージを持ってしまいがちですよね。私も実際、この一澤さんの言葉に出合うまでは、そのようなイメージが強かったです。現代のスピード感が当たり前になってしまい、このスピード感についていくことばかりに気を取られ、本当は自分に必要でないものまでも手に入れようとしているのでは?と自分のペースを見失っていることに反省する時がたまにあります。

 「速度を上げるばかりが、人生ではない」(ガンジー)

 スピード重視、効率性重視の今の時代、日常生活で良いこともたくさんあります。でも、一澤さんのように今の時代ばかりを追いかけず、創業当時と変わらないことをやり続けることも大切ですし、また変わらずやり続けることが出来るスタイルを持ち続けられていることも羨ましく思います。私もこれからは、自分のペースを見失うことなく、日々の生活においてやりたい事・求められている事に着実に取り組み、その結果、誰かのためになることが出来ている人でありたいです。