辻仁成さん

 経理・事務を担当しています黒田です。

 最近、作家でミュージシャンの辻仁成さんのブログを読むのが楽しみの一つとなっています。現在、お子さんと2人でパリにお住まいで、このコロナ禍でのパリでの生活、シングルファーザーとしての悩み、そしてお料理の上手な辻さんのレシピなどなど、さすが作家さんのブログだなぁと感心しながら読んでいます。

 日本で今月開催される予定のコンサートの中止が決まった時の文章が印象に残りました。
「レストランがもう一年もあかないのに、ずっと店を掃除し続けているオーナーのジャン・フランソワから学んだのだ。ロックダウンになっても、自分の愛する店にやって来て、店の空気の入れ替えを続けていた。この一年、彼はずっと店にやってきた。みんなが閉店しているのに、である。
“ジャン・フランソワ、なんで、毎日、店をあけるんだい?”こうぼくが訊くと、彼は、小さく微笑んで、“ぼくは世界が崩壊するとしても、ここに来て、開店の準備をする。それがぼくの仕事だからだ”とこたえたのだけど、素晴らしい、と思った。
だから、中止が決定した時、今回は悲しむのじゃなく、今日から次に向かおう、と思っていつも通りスニーカーを履いて出かけたのである。むしろ、いつもより、少し遠くまで走った。エッフェル塔の袂まで走り、エッフェルさんを見上げ、絶対負けないことにしました、と報告をした。(中略)人間は諦めた時に人生が終わる、とぼくは思って生きている。諦める必要などあるだろうか?ぼくは死ぬ、最期の瞬間まで前進をしたい。そこに目標があるのに、ぐずぐずしていられない」(JINSEI STORIES 退屈日記 2020/4/12)

 コロナ騒動がまさかこんなにも長引くと思っていなかった人も多いのではないでしょうか?私も当初は数ヶ月で終わると思っていました・・・。様々なことが制限される中で生活をしていると、どうしてもネガティブな考えが占める割合が多くなってきますよね。

 「いいですか いくらのろくてもかまいませんよ たいせつなことはね 
  いつでも前をむいて 自分の足で 自分の道を歩くことですよ」(相田みつを)

 この一年余り、自分のペースを完全に見失い、目標すら持たないで、「どうやって過ごしていたんだろう?」と振り返って考えることがあります。もう少しコロナ騒動も続きそうですが、他人と比べることなく、ゆっくりと自分のペースに戻し、以前のように目標に向かって、前を向いて過ごしていこうと思っています。