マネーという名の犬

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、『マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門』という本を読みました。本の監修を「物言う株主」として名の知れた村上世彰さんがされているということに興味をもち、手に取りました。

 内容は、お金に困っている両親の元に育つ少女キーラの元に、突如として人間の言葉を話す“マネー”という犬が現れ、マネーがキーラにお金の原理原則を丁寧に教えていく、という物語です。子供向けのマネー入門書のため基本的なことが書かれていますが、「働くことの意味」「人は何にお金を払うのか」や「信用の大切さと築き方」など人生を豊かにするための考え方がいくつか書かれていて、私たち大人が忘れてしまっていたり、意外と分かっていないと思うようなこともあったので、十分に楽しめました。

 「お金を稼ぐには人の役に立つことをすればよい」

 この本に書かれていた言葉です。少し前、仕事のことを上司の方と話している時、「他人にいいことがあると自分は嬉しい」と思う気持ちを日々増幅させておくことが大切、と仰ったことが私に強く残り、そう思う気持ちを自分の中で少しずつ増やすように心掛けています。

 「人がまじめに、一所懸命することを、人はよろこぶ」(唐池恒二 JR九州会長)

 今は、何事に対しても“どんどん無駄をなくして、便利に効率良くしましょう”というのが世の流れとして強いように感じます。でも、食事に行ったとき、素材にすごくこだわってられたり、手の込んだ美味しいお料理が出てくると、嬉しくなり、お支払いの時に「美味しかったです」や「また来ますね」という言葉が自然と出てくるってことありますよね。

 「人が喜んでくれたら、自分もうれしい」というのは、誰でも心のどこかにはある気持ちだと思います。犬のマネーの本を読んでみて、もしも、皆の心がこの気持ちで満たされている世の中だとしたら、そして皆が人とのつながりの中で自然にお金を稼ぎあう世の中だとしたら、結局はお金のことなんか誰も熱心に考えていなくてよいのかもしれない、そんなことを思いました。

通勤電車の無関心

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 先日、東京の日比谷線の一部電車内でクラシック音楽などを用いたBGMの試験放送を1月下旬から始められた、という記事を読みました。特急ではなく、一般的な通勤電車では国内初の試みで、通勤ラッシュの時間帯は避けられ、10時半~13時半の昼の時間帯に流されているそうです。導入を検討するきっかけは、昨年7月、間違ってクラシック音楽を電車内に流したハプニングがあり、好意的な意見が寄せられたからだそうです。

 以前、「車内での携帯電話の通話禁止を例にとると、わかりやすい。音声だけの問題なら、車内で交わす友人との会話も同じ。なのに、通話が問題になるのは、その場にいない人を相手にして、空間を共有する他の乗客を“無視”しているからだ」、という毎日新聞の「通勤電車の無関心」という記事を読んだことがあります。これは“車内で化粧はみっともない”という、ある私鉄でのマナー動画が物議を醸しだしたということから書かれた記事です。

 「“優しさ”の反対の意味は“無関心”である」(マザー・テレサ)

 電車内でスマホなどに集中し過ぎて、自分の前に立っておられるご高齢の方たちに気づかれない、という場面にたまに遭遇することがあります。その時、注意することができない私自身も恥ずかしいのですが、同じ空間にいても全く他の人のことを気遣うことができない、ということは悲しいですよね。

 通勤列車内のBGMについては、もちろん賛否両論あると思います。でも、その車内にいる時BGMを聴いて、周りの人達を少し意識することにより、席を譲り合うことができるちょっとした優しさが生まれたらいいなぁと思いました。

小泉放談

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 先日、「小泉放談」という、小泉今日子さんが50歳の節目に感じること、思うことなどを、25人の人生の先輩たちと「50歳代からはどう生きる?」というテーマで語り合われた対談集を読みました。私もそれほど遠くない50歳という節目についてたまに考えることがあり、「こういう変化が起こる人が多いんだなぁ」や「こういう考え方をもっておくと良いのだなぁ」などと思いながら楽しく読める一冊でした。

 この本の中で、小泉さんが「ちょっと前までは、年齢のことを自虐的に言うのが自分の中で流行ってたんですが、もうそれもやめようと思ってます」という事を仰っていました。私も同感で、少し前から「もう〇〇歳だから・・・」と年齢の責任にしないで、重ねていく年齢をポジティブに考えていこう、ということを実行しています。

 「20歳の顔は、自然の贈り物。50歳の顔は、あなたの功績」(ココ・シャネル)

 最近、私もですが、年齢を重ねていく家族や友達を見ていて、顔の表情というのはその人を表すなぁ、と思うことがあります。以前は年齢より若く見られることを嬉しく思っていた時期ももちろんありましたが、今は“その年齢なりの人”としての顔の表情をもてるように、職場でも、同じことが繰り返される日々の生活でも、積極的に動き、精一杯今を頑張って過ごしていけるようにできればと思っています。

平昌冬季オリンピック

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 今週金曜日から平昌冬季オリンピックが始まりますね。

 「私の好きな言葉は『明日笑うために、今日頑張ろう』。
  仕事やスポーツ、学校や家庭・・・どんな環境であれ、今自分がいる場所、
  与えられている場所で一生懸命になれることがあるというのは、すごく幸せなことだと心から思います。
  一生懸命になるからこそ大変なこと、辛いこと、超えられなくて悩むこともあると思います、
  そうしたなかで私は『自分のできることを精一杯やることが明日につながる』と言い聞かせながら
  今までの人生を歩んできました。その結果、すごく充実した日々が過ごせたという時間があります。」

 フリースタイルスキー・女子モーグルの第一人者であり、冬季オリンピックにおいて長年にわたり注目選手であり続けた上村愛子さんのあるインタビュー時の文章です。

 年末、学生時代の集まりに数年ぶりに参加しました。20年振りに会う先輩方も数名おられ、見た目は大きく変わっておられすごく驚いたりしながらも楽しい一時を過ごすことができました。各々の方と話をしていると、仕事であったり、家庭であったり、また学生時代それほど力をいれてテニスをやっていなかった先輩が今は週4日もテニスに打ち込んでいるなどなど、皆さんが自分がいる場所、与えられている場所で一生懸命に過ごされていることを知り、私も日々を精一杯に過ごそう、と自分に言い聞かせていました。

 「今日一日を“生きる単位”として、その一日一日を精一杯に生き、懸命に働くこと。
  そのような地道な足取りこそが、人生の王道にふさわしい歩み方なのです」(稲盛和夫)

 たまに気持ちが上向かない日、「明日やろう・・・」「明日頑張ればいいか・・・」などとちょっと逃げの気持ちが顔を出すことってありますよね。そんな時、「明日笑うために、今日頑張ろう」という言葉を思い出し、今、自分がいる場所で、自分のできることを精一杯やって、一日一日を過ごしていきたいです。

継続すること

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 ここでブログを書き始めさせていただいていからもうすぐ丸5年になります。ブログの話題がなかなか無い時は、移動時の人間ウォッチングを普段よりしっかりしたり、身近に起こった出来事で何かひっかかることはなかっただろうかなどと思い出したり・・・と、話題を探すことがあります。たまに、マネックス証券の松本大さんのブログを読むことがありますが、15年以上毎営業日書き続けられているそうで、「毎日よく話題があり、それをきちんとした文章にされるなんてすごいなぁ」といつも感心しています。

 「コミュニケーションに王道はありません。
  メールもブログも一番大切なのはどう書くかではなく、継続することです。
  年一回、月一回なら格好も付けられます。しかし、毎日書いていると嘘はすぐにばれます。
  逆に言えば、地道に継続することが読み手との信頼関係を築き、
  コミュニケーションの橋を架ける一番の方法です」  (松本大)

 少し前ですが、偶然このブログを読んでくださった少し年上の知り合いの方から、「さりげなく書かれたブログが心に残りました」というメールをいただいたことがあります。このようなコメントをいただくのも初めてで、違う世代の方からもこのように思ってもらえたこと、大変嬉しかったです。

 このブログを通して、何らかの感想をもっていただけたり、共感していただけたりすることは嬉しいことです。これからも地道に継続していけるといいなぁと思っています。

羽生永世七冠

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 昨年末、将棋の羽生善治さんが史上初の永世七冠を成し遂げられたことが大きなニュースになりましたね。将棋のことはほとんど分からないのですが、ただ昔から「羽生さんは凄い人だ」ということだけは知っていました。

 かなり以前の羽生さんのインタビューでこのような文書を目にしました。
  「20歳の私は、舗装された道なら早く走れる力をつけ、腕を上げた。
   だが、砂利道や道なき道を猛スピードで突っ走れるのか。
   まだ舗装されていない道を走ることが、私の力ではないかと思い至りました。」

 その時から意識して砂利道を選ぶようになりました、とも書かれていました。

 私も昨年末、少しこれに近いことを思う経験をしました。一つのことを完成させるために、色んな本を読んだり、インターネットで関連する資料を読んだり、同じ経験をしている友達にアドバイスをもらったりしながら、私なりには「うんうん、知識もつけたから大丈夫!」と思い、作業を進めていました。でも途中で砂利道に何度か遭遇し、心が挫けそうになったり、イライラしたり、時には「あの時、あのようにすれば良かった・・・」と後悔に時間を割いたりしていました。

 「知識も大切だが、知恵をもっとだせ。
  知識は比較的簡単に手に入るが、知恵は大きな努力と体験がないとなかなか手に入らない」
                            (安藤百福、日清食品創業者)

 情報量の多い今の世の中、何かを成し遂げるために、近道がたくさんあり、最短コースである程度の段階まではいけるとは思います。ただ、自らが体験し、数多くの問題を解決することにより、多くの知恵を得ることができ、やっと自分の力になるのだと思います。“知識を知恵にする”ことを大切に、近道が目の前にあっても、少し遠回りする道を選択する機会をもっと増やしていこうと思っています。

うどん自動販売機

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 うどん自動販売機ってご存知ですか?

 少し前にニュースで取り上げられていたのですが、私は初めて知りました。すでに登場から40年以上たっているらしく、熱々のおうどんとラーメンが食べられる自動販売機で、全国で稼働しているのは京都府舞鶴市のドライブインのみ、遠方から訪れる人も多いらしいです。自動販売機というと全てが自動と思ってしまうのですが、おうどんやラーメンに入れる具材、たとえばチャーシューなどすべて手作りされていることに驚きました。

 「これを今の子どもたちが知ることで、少し時代が戻ればいい。
  完全じゃない人のぬくもりを感じる自動販売機として逆に受けるかも」

 このニュースであるコメンテーターの方が仰った言葉で、私も同感しました。

 今、世の中の変化のスピードが早く、「○○が欲しいな」と思ってインターネットを少し操作したら翌日には手元に届いたり、「○○を買い忘れた!」と夜遅くに気づいても、近くのコンビニに行けば購入できたりなどなど、なんて便利になったんだろうと思うことがたくさんあります。その反面、以前では考えられなかったようなSNSなどにかかわる残虐な事件や思わぬトラブルが多くなっていることも、毎日のニュースで感じられます。

 便利になっていく世の中で、うどん自動販売機のように、ちょっとした人のぬくもりを感じられるところがあると、ホッとした気持ちになることってありますよね。時代の流れについていきながら、たまに少し時代が戻った物事に接することにより人の温もりを感じ、“変わるべきこと、変わらざるべきこと”に柔軟に対応できる人として新しい年も過ごしていきたいです。

吉田羊さん

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 先日、女優の吉田羊さんが出演されているトーク番組を見ました。数年前からドラマ、映画、コマーシャルと幅広く活躍されていて、インタビューなどを聞いているとサバサバした印象があり、同世代の中でも好きな女優さんの一人です。そのトーク番組で、吉田さんが同僚の役者さん、メークなどのスタッフの方など誰に対しても「感謝」という言葉を使われていたのが印象的で、私の中での好感度がまた上がりました。

 「感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感が高まっていく」(松下幸之助)
 
 日頃“ないもの”に焦点がいってしまって、“あるもの”に感謝することができないということ、偶にありますよね。以前、友人になにかの相談事をした時、「有難う、感謝しています、と言った言葉を毎日口にすると良いよ。そうすると、自然と相手に対して感謝する心をもつことができるよ」というアドバイスをもらったことがあります。その時、私も人並みに感謝の心はもっているとは思っていたのですが、その友人のアドバイスを実行していると、今まで当たり前だった身近な事でも「有難いなぁ」と思えることが少しずつ増えてきたように思います。

 稲盛和夫OFFICIAL SITEの6つの精進の中に「生きていることに感謝する」とあり、“いたずらに不平不満を持って生きるのではなく、今あることに素直に感謝する”と書かれていました。今あることに素直に感謝する、この気持ちを忘れないで日々を過ごしていければ良いなぁと思っています。

本日は、お日柄もよく

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 先日、表紙のデザインがずっと気になっていた原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」という小説を読みました。普通のOLさんが、幼馴染の結婚披露宴でスピーチに感動し、伝説のスピーチライターに弟子入り、そして、選挙のスピーチライターになるという、至ってシンプルな内容なので、普段好んで読んでいるミステリー小説とは違い安心して読むことができました。本文中には、「いいほうに変わるなら、変わるほうがいい」や「何かをひとつ極めるためには、何かをひとつ捨てなくちゃいけない」など心に響く言葉が所々に出てきて、元気づけられ、楽しい気分で読み終えることができる小説でした。

 「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
  三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。
  二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。」
 
 その中でも、私の心に最も響いた一文です。

 困難にぶつかった時、その事ばかりを後ろ向きに考えてしまい、同じところに立ち止まって負の連鎖に陥る、ってことありますよね。これからも、”もうだめだ”と思うほどの困難に向かい合う時が必ずあると思います。そんな時、この言葉を思い出し、3日後にはきっと顔を上げて歩き出している自分を想像して、前を向いて歩き出せるような日々を送り続けたいです。

夕張市

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、夕張市の鈴木市長さんのインタビュー記事を読みました。夕張市といえば、2007年に事実上財政破綻した時、メディアはそろって取り上げていましたが、10年超も経つと偶に耳にするくらいで、私の中でもかなり記憶が薄らいでいました。この10年間で約350億円の借金のうち95億円を返済された一方、「最高の負担と最低の行政サービス」といわれるほどの究極の緊縮財政による副作用で人口が3割以上減少してしまった、という記事を読み、「何か私で出来ることはないだろうか?」と思いついたのが“ふるさと納税”です。いつもは「今これが欲しいから」という選び方でしたが、今回は「夕張市を応援できるなら」と思いやってみました。

 「行動は必ずしも幸福をもたらさないかも知れないが、行動のない所に、幸福は、生まれない」
                              (ベンジャミン・ディズレーリ)

 この1回だけの行動で夕張市の何百億円もの借金に変化があるわけでもなく、行動することがすぐに結果をだすわけでもないと思います。ただ、小さな行動だと思っていても、誰かの幸せに向けて行動し続けることにより、いつか小さな幸福に繋がるのでは、と思っています。

 普段「私がこんな事をして何が変わるのだろうか?」と思い、なかなか行動に起こすことができず、のちのち後悔することがあります。何もせずに後悔することよりも、小さな行動を起こすことを躊躇わずにできるように心掛けていきたいです。