とと姉ちゃん

 経理・事務を担当しています黒田です。

 「あさが来た」が終わり、少し朝ドラから遠のいていましたが、最近「とと姉ちゃん」を見始めるようになりました。今回のモデルは『暮らしの手帖』を創刊された大橋鎭子さんです。とと姉ちゃんこと常子さんが紆余曲折の結果、一生の仕事となる出版社で働き始め、「なにか良い企画がないものだろうか?」と悩んでいたとき、祖母から「折角だったら人の役にたつことはどうだ!」と提案される場面がありました。

 「誰かの為に生きてこそ人生には価値がある」(アインシュタイン)

 人生といってしまうと大袈裟になりますが、日々ついつい自分や家族のことだけで精一杯になってしまい、他の人のことに目が向けることができなくなってしまう心の余裕がないときってありますよね。たとえば、バスや地下鉄で座っていて、ご年配の方や小さいお子さんを連れた方が乗られてきたとき、心に余裕があると「どうぞ」と代われるのですが、心に余裕がないときは正直周りの人のことすら目に入らず、降り際まで気づかなかったりして、あとから反省することが私にはあります。

 仕事でも、長く働くうちに「他人のために」という意識が薄れていくということがあるように思います。「自分がもっと興味を持てる仕事を」や「家族の生活の安定のために」など、自分や自分の家族のことで心に余裕がなくなっているうちに、気付けば「ほかの誰かのために」という意識が薄れている、そんなことが油断していると誰にも起こりうるのではないかと思います。仕事においても、日々の生活においても、「ほかの誰かのために」という意識を常にもちながら行動ができる心の余裕をもてる人として過ごしていきたいです。

 最後に、仕事に関してある人から言われたことを紹介しておきます。
「赤の他人のために行動し、その赤の他人からお礼をもらう、というのが仕事の本質です。
ですので、例えば“仕事ができる人”というのは、“赤の他人をうれしくさせるのがほかの人よりも上手い人”のことです。お店だったらお客さんを、病院だったら患者さんを、です。必ずしも難しい作業ができるかどうかではありませんし、専門知識の深さがそのまま比例するわけでもありません。
この当たり前のことを、目の前の与えられた仕事をこなし続けているうちに忘れてしまいがちです。
もしずっと忘れずにいられたら、目の前にある仕事をもっと違ったふうにやれることが多いのですが。」

リオ・オリンピック

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 今週金曜日から、リオ・オリンピックが開催されますね。

 「メダルの色は何色でも、重要なことはそこに向かって努力していくこと。」(室伏広治)

 オリンピック開催前の情報が良い種目や選手に対してメディアがクローズアップすることもあり、どうしても過度に金メダルを期待してしまいがちになってしまいます。本当はメダルの色は何色であっても、惜しくもメダルを逃してしまっても、4年間、人によれば4年以上の歳月を、オリンピックという一つの目標に向かって努力をし続けることに対して心から称賛したいと思います。

 「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行く、ただひとつの道だと思っています。」
                                        (イチロー)

 “毎日の努力をずっと続けていれば必ず報われる”ということを、イチロー選手自身が身を持って、今なお私たちに証明してくれているように思います。イチロー選手だけでなく、その道のプロの第一線で活躍されている人達は全てそうなのだと思います。私たちは、その人達のほんの一部分だけをクローズアップして、その一瞬やその時の結果のみで評価しがちになるときがあります。努力とは、自分が大切にしてきたことに対して多くの時間を費やし、何かをしてきたという、その人の歴史のようにも思えます。

 リオ・オリンピック、さまざまなドラマが生まれることが楽しみです。そして、そのドラマの裏にある見えていない部分にも意識を向けて、結果の有無にかかわらずその人たちの歴史に拍手を送れる17日間にしたいです。

長寿企業大国

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 以前こんなことを聞いたことがあります。
 「最初の5年間で80%のビジネスが廃業、残ったビジネスのうち80%が次の5年間で廃業する。
  この結果、ビジネス全体の4%しか生き残ることができず、96%が廃業する。」

 確かに会社を設立しやすくなった現在ではたくさんの会社が起こされている一方、たくさんの会社が無くなっているのも現実のように思います。弊社は昨年10周年を迎えましたが、日本は創業200年以上の企業が多くあり、世界でも類がない「長寿企業大国」でもあるそうです。

 「「信用」。残したい言葉として、迷わずに選んだ一言です。
企業にとって大切なことは、長期に渡り存続することです。
これなしには使命を果たすことができません。
ゆえに、信用を重んじる経営が不可欠なのです。」(岡素之 住友商事元社長)

 最近も大手企業の不祥事や政治家のお金の問題が取り沙汰されていることが多く、説明や釈明会見を聞いていてもスッキリしないなぁと思ってしまうことがあります。企業や政治家もそうですが、家族や同僚といった人間関係でも、信用や信頼関係があるからこそ成り立っているのだと思います。長年にわたって築き上げてきた信用や信頼関係も、ほんの些細な一言や行動で一瞬に壊れてしまいますよね。今ある信用・信頼関係がずっと続けられるように、日々、何事にも誰に対しても誠実に過ごしていきたいと思います。

北島選手

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 先日、北島康介選手が引退を発表され、その引退会見を見ながら一つの時代が終わったように少し寂しく感じましたが、「幸せな選手生活を送れた。平井先生がいてくれたからこそ、五輪で金メダルを取れた。応援してくれた仲間のおかげで、ここまでできた。感謝しかない。」という、平井コーチら周囲への感謝を述べられた言葉を聞いて清々しさを感じました。また、一問一答を聞いていても、言葉の使い方からユーモアのある実直な人だなぁと感じ、北島選手のこれからの活躍がますます楽しみになりました。

 「言葉は人を最もよく表す。だから何か言いたまえ、そうすれば君がわかるだろう。」
                             (劇作家 ベン・ジョンソン)

 言葉ひとつで、気分が晴れたり、もう少しだけ頑張ろうと思えたりした経験ってありますよね。心の使い方は、言葉の使い方次第で変わってくるように思い、言葉に対して慎重でいたいと常々心掛けているつもりなのですが、心穏やかでない時ついついガサツな言葉を言ってしまい反省することがあります。自分がどのような時にでも、周りの人達が元気が出る、思わず笑顔になれる良い言葉を発することができる人でいれるよう、これからも言葉に対して慎重でいたいと改めて思いました。

セトモノとセトモノ

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 NHK連ドラ「あさが来た」がとうとう4月上旬に終わってしまいました。好調だった理由が色々と挙げられていますが、その中で「対立の構図を作らずに、しかし流されるのではなく、自分の意思を貫いて生きていく姿が多くの人を惹きつけ続けた大きな理由の一つではないだろうか」と書かれている記事を読みました。

 事業を展開しようと強い意志をもってさまざまなチャレンジを試みるあささん。でも、相手はなかなか受けいれてはくれなく、銀行を切り盛りすれば「ろくでもないおなご」と言われたり、女子大創設の寄付を集めて歩くと「あんた誰や?」と軒先で冷たく追い出されたり・・・そんな時でも相手を言い負かせたり、論理でねじ伏せたりはせず、「そうですなー、そうですよねぇ、また来ます」といって相手の気持ちに寄り添い、一歩引くという「しなやかな」姿が繰り返し描かれていたように思う、と書かれていました。

 「セトモノとセトモノと ぶつかりっこすると すぐこわれちゃう 
  どっちか やわらかければ だいじょうぶ やわらかいこころをもちましょう
  そういう わたしは いつもセトモノ」(相田みつを)

 最終回、あささんが「みんなが幸せになるための武器は、人の気持ちをおもんばかることの出来る優秀な頭脳と、柔らかい心、それさえあったらそれで充分なんだす」と・・・どうしても“セトモノの心”が顔を出してしまう時ってありますよね。でも、昨日よりも今日、今日よりも明日、“やわらかい心”を持ち続けられる頻度を高めていきたいと思っています。

ミライロ

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 先日ある番組で「106センチから見た日本」という特集をみました。最初「106センチとは、ベビーカーのことかな?子供のことかな?」と思っていたのですが、「車いすで生活をされている方から見た日本」ということでした。

 飲食店や個人店舗のバリアフリー情報は集約が難しいとされていて、店舗の出入り口の階段の段数や補助犬が入れるのかなどのさまざまな情報を投稿し、閲覧できるアプリを開発された「ミライロ」という会社の垣内さんご自身も車いすでの生活をされています。車いす利用者の方にとっては、お店の出入り口の段差が1段なのか2段なのかは、自分で入れるのか、それとも誰かの手を借りなければならないのか、という雲泥の差であることを初めて知りました。

「私は、歩けないからできることを、見つけることができました。
 人には誰しも苦手なことがある。人には誰しも辛い過去がある。人には誰しもコンプレックスがある。
 一見すべてはネガティブなものに見えますが、それらはすべて価値になります。
 人それぞれが持つ経験や視点、感性は、それが必ず強みになるのです。」(垣内俊哉 ミライロ社長)

 “どうしてこんなことが起こるのだろう?”などと悩んだり、時にはイライラして、結局なんらかの解決も出来ずに時間だけが過ぎていた・・・ということが偶にあります。垣内さんのように、自分に起こるネガティブなことを“すべて価値あるもの”と言い切れるとどんなにすっきりすることかと思いました。

「人間の真の価値は、何を目指すかによって判断される」
     (マルクス・アウレリウス・アントニヌス 古代ローマの皇帝)

 いろんな事が起こることは当たり前であって、その度に一喜一憂せず、“こういう人でありたい”という目標にどのようにして辿り着くのか、そのためには何を日々すべきなのか、を常に考え行動できる人でありたいです。

鳥獣戯画

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 4月から電力自由化となりましたね。さまざまな企業があらゆるプランを出されていて、「価格競争ばかりがクローズアップされて、実際どのプランが良いのかが分からない・・・」というのが私の感想でした。と、3月中旬に「大手商社 丸紅が経営する電力会社がスタジオジブリとタイアップした」というニュースに、あまり共通点がみつからない企業同士のタイアップだったので驚きました。プラン内容は「電気料金の一部を森と緑の保全活動に充当することで、ユーザー、スタジオジブリ、丸紅新電力が一体となって、日本の原風景を未来に残していく活動を支援することが出来る」だそうです。

 もう既にコマーシャルとして、800年以上前に描かれた日本最古の漫画と言われている「鳥獣戯画」が動画として流れているようなのですが、私はホームページで見ました。これは“「鳥獣戯画」を動画にしたい”という、スタジオジブリの鈴木敏夫さんの長年の思いが叶ったそうです。これまでもいろいろな会社と動画にするという話が進んで、いいところまで行ってダメになっていたそうです。

 会見時、コマーシャル作成に関して丸紅側の方がこのような話をされていました。
「はじめは森のイメージを想定していました。ただ鈴木さんの鳥獣戯画への熱さがものすごく伝わりましたから、『これはいろいろ説明しても鳥獣戯画しかやらないな』ということがすぐに分かりました。」

「ひとつのドアが閉まるとき、別のドアが開く。
 しかし、閉まったドアをいつまでも残念そうに見つめているので、
 私たちの為に開いているドアが目に入らないということがよくある。」
              (アレクサンダー・グラハム・ベル 発明家・学者)

 自分が目標に向かって進んでいるとき壁にぶつかり、どうにもならない状態になる時ってありますよね。その時そこにこだわらず、次の扉を開けて進むという選択をすることって大切で、そのような選択ができる人間でありたいと思っています。仕事でも日常生活でも、開かない扉にいくらノックしても変わらないのなら、別の扉をノックしてみるということを心掛けていたいと、鈴木さんの“鳥獣戯画”への熱い思いを知り、改めて思いました。

旅と本とコーヒーと

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 先日ある番組で「書籍を使った集客」という特集をみました。本が売れない時代と言われている今、その本を集客の目玉にする動き“本との異色コラボ”が広がっているそうで、いくつかのコラボが紹介されていました。

 その中の一つ「旅と本とコーヒーと」というコラボは、旅行会社に入ったはずがコーヒーのいい香りが漂ってくる。コーヒーを購入し階段を下りると、旅にまつわる15,000冊ほどの本があるbookshopがあり、コーヒーを飲みながら本を楽しむことができ、さらに階段を下りると旅行会社へと繋がる。この3つは「個々に独立した店を構える」というのが私の中での常識だったので、意外性をついて面白かったです。実際に、来店者数が4倍に増え、旅行商品の売上も2割増えたそうです。

 このコラボを手掛けられたブック・ディレクター 幅充孝さんのこのような文書を目にしました。
「僕が、やりたいのは本を手に取る機会をどれだけ世の中に顕在させられるかということ。
つまり本というのは100人読んだら100通りの読み方がある、
その余白の大きさというか、余韻が本のいちばんいいところだと思うので、
『この本をこういうふうによみましょう』とは決して言えない。
だけど、本を手に取らないとなかなかわからないところがあるんです。」

 本屋さんに行ったけれど、まだ作家さんもジャンルも決まっていないとき、お店の中を行ったり来たりしていると本の帯の言葉が目に留まり、本を手に取ることがよくあります。それが意外と今まで読んだことのない作家さんであったり、全く踏み入れたことのないジャンルであったりして、幅さんの「本を手に取らないとなかなかわからないところがあるんです」という言葉に同感しました。

 本は、書籍であれ、電子書籍であれ、雑誌であれ、そこに込められた言葉を通して自分の知らない世界を広げてくれると思います。そして、仕事や人との出会いと同じように自分を磨くことができるものでもあると私は思っています。これからも、あっと驚くような“本とのコラボ”が出てくることが楽しみです。

もとのその一

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 最近、茶道のお稽古中に「ここで茶杓を清めるのだったかな?」や「袱紗はこのさばき方で合っていたかな?」と、今までさほど疑問にもたなかった動作にふと止まってしまうことがあります。その時、先生はいつも「それは色んなお点前を習うことにより多くの知識がついてきたという証拠なのよ。」と仰って下さります。

 「稽古とは、一より習い十を知り、十よりかえる、もとのその一」(千利休)

 どのようなお稽古でも、初めて一を習う時と、十まで習って元の一に戻って再度一を習う時とでは、人の心は変わっているように思います。ある程度まで進み、習い始めた頃のお点前に戻ることがありますが、「だから、このように蓋を置くのだ」や「だから、このようなお辞儀の仕方をするんだ」と一つ一つの動作に意味があることに納得させられることがよくあります。

 稽古を重ね、習ったことはすべてを知り尽くしたつもりで満足してしまったら、それ以上進歩をすることは難しくなるように思います。仕事においても、たとえば作成した書類などを「これで良い」と思った時点で、もっと良くなるだろうということが頭に浮かんでこなくなりますよね。現状に満足すればそれまでで、いつも初心を忘れずに行動することが進歩させてくれ、その事の奥深さを知るきっかけにもなる。初心を忘れないことの大切さを改めて感じました。

物語が進んでいく

 経理・事務を担当しています黒田です。

 先日、昨年4月から通っている社会人大学院の修士論文中間報告会がありました。この半年くらい、決めたテーマに関する文献を集めながら、少しずつ読み、なんとか発表できるところまでたどり着きました。発表資料のうち一つは、教授の指導により「頭で考えていることを一度手で書いてみるのがよい」ということで、“手書きで提出する”ということに決まりました。

 私は「自分の字を人に見られることが苦手」という理由で“手書き”ということに躊躇していて、「出来るならばパソコンで作った資料を提出できないものかなぁ」と考えていました。が、いざ手書きで書き始めると「この事も追加した方がいいなぁ」「ここは図で書いた方が分かりやすい」と書きながら色々な考えが浮かんできて、完成した時には「意外と味のある資料ができた」という満足感を味わうことが出来ました。

 手書きで原稿を書かれている林真理子さんが以前このようなことを仰っていました。
 「書き始めると、手が勝手に動きだすんです。
  手がどんどん動いて、主人公が勝手にしゃべって、物語が進んでいくときがある。」

 小説もエッセーも書かない私ですが、なんとなくこの仰っている気持ちが少しだけ分かったような気がします。私は字の上手い下手のことがありパソコンで書くことを好みますが、どちらにも良いところはたくさんあるように今回改めて思いました。たとえば、パソコンだと修正や追加が簡単にできます。手書きだと分からない漢字や言葉を辞書で調べ、そのついでに他のことも辞書から知ることができるということもあります。“パソコンか手書きか”ではなく、“パソコンも手書きも”上手く使い分けができるように自分にあった習慣を作っていきたい思っています。