読影セミナー:その1

 経理・事務を担当しています黒田です。

 11月16日(土)、11月30日(土)にイメージ・コミュニケーション読影室で「関節領域の3T-MRI読影ハンズオンセミナー」を開催しました。このセミナーは関節領域の診断に今ひとつ自信が持てないという若い放射線科の先生方(専門医取得前後の年代)を対象に行っているものです。実際にモニターを見ながらマンツーマンに近い形式で進めていくため、少人数でないと難しく、今回は計5人の先生方のみの参加とさせていただきました。実は2年前から知り合いの先生の間で希望者を募って同様のセミナーを行っていたのですが、ホームページでも受講者を公募して行ったのは今回が初めてです。

ハンス~1

 このセミナーの特徴は「自分でモニターを動かして実症例をみること=ハンズオン形式」と、「同一疾患の軽症例~重症例をまとめて連続的にみること」です。セミナーを担当されている先生方によるとこれが診断能力を高めるのに最も効率的とのことでした。より理解しやすくするため、みる症例の順番にも工夫があるそうです。

 実際には30分の基本知識の講義のあと、ハンズオン形式のセミナーが始まります。症例ごとにみる時間を区切って軽症→重症例と診断し、直後に解説が入ります。これを1セットとし、次のセットに進んでいきます。今回の対象は「肩関節」でしたので、例えば腱板損傷のセット→関節唇損傷のセット→投球障害のセット→・・・という具合です。時間通りに次々に各セットを進めていくので、「ブートキャンプ方式」と呼んでいる先生もいます。

 同じ放射線科医であっても、勤務している施設によっては経験する症例の分野に偏りがあり、関節の診断に慣れる機会に恵まれない先生も多いとのことです。セミナー後には受講した各先生とも診断に自信がついたといっておられ、教えておられたイメージ・コミュニケーションの先生方も嬉しそうでした。

 今年度の読影セミナーはこれで終了ですが、来年度も開催する予定です。現在はこのセミナーは定員を少人数に限定して行っていますが、来年は一度にもう少し多くの先生方に受講していただけるようにできないかと、現在工夫を考えています。募集時期がきたらまたホームページでお知らせ致します。

 今回は読影セミナーの形式について主に紹介しましたが、次回はなぜイメージ・コミュニケーションが読影セミナーを行うようになったのかの経緯について紹介したいと思います。