自分の心が「温かい」と思う方を選びなさい

 経理・事務を担当しています黒田です

 少し前に盲目の弁護士 大胡田誠さんという方がおられることを知りました。日本で3人目の全盲の弁護士さんだそうです。

 大胡田さんは12歳の時に病気のため失明され、その後、大きなハンディを持ちながらも大学、法科大学院を経て、司法試験を足かけ9年の受験生活をへて、2006年に合格されました。その受験生活最後の年に、なかなか合格できないことで自信を失われ、受験すること自体を非常に迷われた時、ご両親に相談をされたそうです。その時、お母様は良いとも悪いとも言わず、ただ一言「人生で迷ったときには、自分の心が『温かい』と思う方を選びなさい」と仰ったそうです。そして、大胡田さんが自分自身の心に問いかけられた結果、「やっぱり弁護士になりたい」という強い思いを再認識され、見事その年に合格されたそうです。

 お母様は「自分の心が『温かい』と思う方を選ぶ」ということで、損とか得とか、人からどう見られるかではなく、自分の心が何を本当に欲しているのか。答えはそこにしかないんだと教えられたそうです。

 自分が追い続けている夢や掲げている目標に対して、自分なりに努力してもその成果をなかなか得られない時、ついつい私は「今の厳しい現状から逃げ出したいなぁ」とか「こんな成果のでない私って、友達とかどう思っているのだろう?」とか思うことがあります。そのような時は一通り悩んで、最後は「『厳しい』と思う方を選ぼう」や「『相手のためになる』と思う方を選ぼう」というような考え方をもって選択をしてきていたのですが、「自分の心が『温かい』と思う方を選ぶ」というモノサシが私にはなく、すごく良い言葉だなぁと思いました。これからは職場や日々の生活において、この言葉を気にかけてみようと思います。

文字に残すことの大切さ

 経理・事務を担当しています黒田です。

 ある朝、テレビ番組で「漂流郵便局」という郵便局があることを初めて知りました。正式の郵便局ではないのですが、瀬戸内海の粟島に実際にあった郵便局を芸術作品として改装して、公開し残してあるものだそうです。

漂流郵便局: 届け先のわからない手紙、預かります

 この番組では、息子さんを亡くされたあるご夫婦が紹介されていました。どんなに時が経過しても、息子さんへの思いがつのるばかりで、ある日、届け先の無い手紙を受け付けてくれる「漂流郵便局」の存在を知られたそうです。最初の頃、お父様は「会いたい、会いたい」と息子さんへの無念な思いばかりを書き綴られていたそうですが、最近の手紙を読むと、息子さんへの日常会話へと変化していかれているそうです。

 突然、悲しいことが起った時、その悲しい思いを向ける先がなく、ただ解決できない状態で過ごすしかない時、「時が解決してくれるはず!」と私は自分に言い聞かせるようにしています。たしかにある程度の時が経てば、その悲しさが和らぎますが、どうしても時の経過だけでは拭い去れない思いもありますよね。このお父様のように手紙という形で文字に起こして書くことにより、悲しい気持ちが幾分か軽くなられ、手紙の内容にも変化があったのではないでしょうか。

 「文字に起こす」と言えば、昨年末に2015年のダイアリー手帳をいただく機会があり、表紙が好きな色だったので嬉しかったのですが、鞄で持ち歩くには大きすぎ、私の常時使っている手帳とは使い勝手が違い、「せっかく頂いたものだから何か使い道がないかなぁ・・・」と考えていた時に、「毎日のちょっとした出来事や思ったことを書き残しておこう」ということで簡単な日記がわりとして使うことにしました。長続きするか少し不安だったので、1年間続けるために一行だけという簡単な日記の日もあります。ただ、寝る前に一日を振り返って文字に起こすことにより、自分の悩みや少し気がかりだったことが整理されて、どうしたら良いかということが分かりやすくなりました。そして、意外とちっぽけな悩みで気持ちが左右されている自分に気付かされることがよくあります。

 漂流郵便局への手紙も私の簡単な日記も、そしてこのブログもですが、心の中で自分が考えていることをきちんと文字として残しておくことの大切さを改めて感じました。

上を向いて歩こう

 経理・事務を担当しています黒田です。

 阪神淡路大震災から20年目の今年1月17日、私は学生時代の友人のソプラノ・リサイタルを聞きに、宝塚の方に行ってきました。宝塚までの電車の中で「あれから20年経ったんだなぁ」と景色を見ながら思っていました。

 震災当日、私が住んでいる京都もかなり揺れました。びっくりして目が覚め、家族が全員無事だと確認して、「まだ揺れるのかなぁ」と思いながら朝になり、普段と変わらずその当時勤めていた会社へ出勤し、普段通り日常業務を進めていました。ただ、会社で流されていたテレビのニュースに出てくる光景が、時間が経つにつれて、この震災の大きさが分かる光景へと変わっていくのをみて、私は茫然としていたことを今でも覚えています。その時、私はまだ新入社員として働き始めたばかりで、自分のことで精一杯で、ボランティア活動などなにも出来なかった自分の未熟さに後々後悔しました。

 彼女のご家族も震災にあわれたこともあり、この節目の20年目に生まれ育った神戸でリサイタルができたことを感謝していると仰って、最後に「上を向いて歩こう」を出演者で合唱されました。

 私が車窓から眺めた美しくよみがえった被災地・・・この震災で多くの人命が失われました。自分の愛する家族・大切な人を亡くされたその悲しみはいつまでも消えることはないでしょう。
 「幸せは雲の上に、幸せは空の上に、上を向いて歩こう、涙がこぼれないように」
 被災の最中を生きた人々にとっては、心の中で何度も口ずさんだ歌詞なのではないかと思います。私も命あることへの感謝を心に刻み、今を大切に過ごしていこうと思います。